現役Webライターによるいろいろな思い

大学生のバイトとしてWebライターはあり?注意点やタイパは?

Webライターのお仕事は年齢制限もなければ資格も不要です。そのため、副業として取り組むのはもちろんですが、大学生がバイトで取り組むことも可能です。
しかし、「可能」と「稼げる」は決してイコールではありません。そこで、一応大学生とWebライターそれぞれの経験を持つ自分自身なりに、語っていこうと思います。

大学生にとってWebライターのバイトは魅力的?

結論からお伝えすると、わざわざ選ぶ必要はないかな…と。文章を書くことが好きって人であれば選択肢の一つになるかもしれませんが、個人的には、大学生が選ぶようなバイトではないかなと思っています。

大学生にとってWebライターのバイトがそこまで魅力的ではない理由

ではなぜ大学生にとってWebライターのバイトがそこまで魅力的ではないのか、いくつか理由を挙げていきましょう。もちろんあくまでも個人的な見解です。

売り手市場の人材が買い手市場に来るミスマッチ

おそらくこの記事を書いている2024年8月において、「人が余ってるので困っている」って産業、なかなかないんじゃないですかね?

芸能界とかスポーツの世界のような、多くの人が目指している世界は別ですけど、一般的なお仕事の世界では、多くの企業が人出不足に悩んでいます。

それこそ人出不足というか、後継者不足で倒産する中小企業が過去最多ってニュースまでありますしね。

深刻な「後継者難」倒産、2023年度は過去最多の456件 代表者の「死亡」「体調不良」が約8割、承継準備が急務

そこまで大げさな話ではなく、それこそ近所のコンビニ、スーパー、ドラッグストアに足を運べば、「アルバイト募集」のポスターを見かけない店舗の方が珍しいんじゃないですかね。

それこそ週1、週2でも大歓迎のバイト募集さえ珍しくないですよね。

そういったところに大学生が働きたいと申し出れば、大歓迎してもらえることでしょう。

でもWebライターの世界は、少ない案件に多くのWebライターが手を挙げる世界です。

そういった世界に「大学生」っていう、多くの雇用者が働いてもらいたいって思っている人材が挑むのは勿体ないんじゃないかなって思うんですよね。

これ、逆に考えると分かりやすいと思うんです。例えばこれまでWebライター専業だった40代の自分が、どこかでバイトしたいって思っても難しいですよね(苦笑)

Webライターは学歴も資格も不要です。「大学生でなければできないバイト」ではないです。

さらにはクライアント様の立場の方が圧倒的に強いです。だから自分を必要としてくれるところでバイトした方が良いんじゃないかなと思いますよ。

行動範囲が広いのに勿体ない

これは今話した売り手市場と買い手市場のミスマッチに近い話ですが、大学生の多くが通学定期を持っていると思うんですよ。

通学定期の沿線であれば交通費をかけずに移動できるからこそ、大学生のアルバイトの選択肢ってとっても多いと思うんですよ。

自宅周辺だけじゃなく、学校の周辺、あるいは乗換駅の周辺、快速・特急停車駅でアクセスしやすい駅とか、いろいろと選択肢があると思うんですよ。

Webライターは場所を問わない点はメリットではありますけど、広い行動範囲から選べるバイトの中には、Webライターよりも魅力的なものがあるんじゃないかなと。

家から出ることができない人にとって、場所を問わずに働けるWebライターのお仕事は魅力的だと思うんです。

でも、家の外、ましてや通学定期のおかげでいろんなところに交通費をかけることなく、あるいは他の人よりも低額で足を運べる立場の大学生にとっては、「場所を問わない」って点は、そこまで魅力的なのかな?って気がするんですよね。

報酬が不確定

例えば先に挙げたコンビニやスーパー、ドラッグストアといった多くの大学生がバイトしているであろう環境って時給×働いた時間っていう分かりやすい報酬体系です。

さらには給与の遅延はそうそうないため、「毎月入ってくるお金」がほぼ確定していますよね。

「今月はバイト頑張ったからお給料多い」とか「テストとか忙しくてあんまりバイトに入れなかったから少ない」とか。

でもWebライターの場合、どれだけ案件を獲得できるかが不明瞭です。修正が入って納品が伸びた場合、お代を手にできるのも先延ばしになります。

さらに、クラウドソーシングの場合、5,000円に満たない場合は入金されません。クラウドワークス、Lancersともそれは共通で、15日、30日締めで月末、15日払いですが5,000円に満たない場合は繰り越しです。

それよりは、「いつお金が入るか分かりやすいバイト」の方が大学生には向いているんじゃないかなと。

タイパが悪い

Webライターのお仕事って、タイパがそこまで良いとは言えないんですよね。

もちろん高額案件であれば話は変わりますけど、始めたばかりのころはどうしてもなかなか高額案件を引き受けることは難しいです。

かといって何もしなければいきなりWebライターとしてのお仕事が舞い込んでくる可能性は限りなく0なので、自ら案件に応募する必要があります。

案件毎に応募文を考えるのはもちろんですけど、そもそも案件を探す時間だってかかります。

案件探しに関してはスマートフォンからでもできますが、応募文はある程度テンプレートを作れるとして、毎回案件に合わせて調整する必要があります。仮に選ばれたとしたらマニュアルを読む。

それで文章を作成することになります。

この一連の流れは、どの案件も時給3,000円くらい稼げるものであれば「Webライターは大学生のバイトにおすすめ」って伝えたいですけど、はっきり言って実際にはそこまでの実質時給でもないですから、結局はタイパが悪いんですよね。

そうすると、結局先に挙げたようなスーパーやドラッグストア、コンビニといったバイトをレギュラーで入ったり、それこそタイミーのようなスマホで簡単に申し込めるようなバイトの方が圧倒的にタイパが良いと思いますよ。

学業への理解

大学生を雇っているバイト先で「学業よりもうちでのバイトを優先しろ」ってスタンスの所ってあんまりないと思うんですよ。

今の時代、そんなスタンスの職場があったら人なんて集まらないと思いますし、それこそ大学生がSNS等で窮状を訴えたら炎上しかねません。

ましてや大手チェーンとかであれば、その店舗だけではなくてチェーン本部の看板に泥を塗ることになりかねないですよね。

そういったことも含めて、例えばテスト期間中は休みをくれたり、急な休みにも対応してくれたりすると思うんですよ。実際、自分も大学生のころはイトーヨーカドーてバイトしていましたが、テストが近づいてきたり、就職活動の時には快く休みをくれました。

でもWebライターの場合、大学生だとわかったうえでお仕事を依頼したとしても、業務委託である以上、納期は納期として「しっかりとお仕事してください」ですよね。

「テスト前なのでこのお仕事やっぱり辞めたいです」と伝えた場合、以降、仕事を回してもらえる可能性は低いんじゃないかなと。

記事作成以外の面で付加価値があるWebライターなら話は別だと思うんですよ。例えば自分のお仕事をSNSやnoteで紹介することで、作成した記事のアクセスを増やすとか。

でも、一般的なWebライターの多くが、例え学業であれ一度受けた案件を自分の勝手な都合で差し戻した場合、次にお仕事をもらえる可能性は低いでしょうね。

そうすると、大学生の場合、また異なるクライアントを探すことになって、結局はタイパが悪化します。

それなら、学業を優先してくれる職場だったり、自分の都合で働ける派遣とかタイミーのような仕事マッチングアプリを活用した方が、大学生のライフスタイルにマッチしていると思うんですよね。

バイトではあっても有休がある

先ほど話に出ましたが、大学生がバイトとしてWebライターに取り組んだとしても、基本的な契約形式は「業務委託」になります。

一方、アルバイトの場合は基本的に雇用契約です。そのため、例えば意図ではあっても半年以上続けることで有給休暇を取得できるんです。

先程、自分自身も大学生のころイトーヨカドーでバイトしていたとお話しましたけど、4年ほどお世話になったので結構有給休暇をもらえました。それこそ一カ月くらい休みをもらったこともありました。だから設定されている時給よりも、実質的には高い時給ってことですよね。

でも業務委託は雇用関係ではないので、有給休暇は発生しません。これはもう大学生がWebライターに取り組んでも、専業・本業としてWebライターに取り組んでも変わらない点ですね。

さっき、学生であれば学業優先してもらえるってお伝えしましたけど、有給が発生している状態であれば、休む際に有給を当ててもらうことだってできるんです。

半年以上の継続が条件ではありますけど、Webライター専業、つまりはフリーランスとして働いているので有給休暇とは無縁となってしまった自分は、有給は本当に価値のあるものだと思いますよ。

大学生がバイトとしてWebライターに取り組むメリットは?

正直、あんまり見当たらないんですが、強いて挙げるとすれば「良い継続案件にと出会えたら」効率は高まりますよね。

ただ、良い継続案件は多くのWebライターが望んでいるものなんです。それこそ専業・本業でWebライターに取り組んでいる自分だって「良い継続案件」は喉から手が出るほど欲しいものです。そんな継続案件に大学生が出会える可能性があるのか?って点ですよね。

だからメリットが「全くない」ってわけではないんですけど、メリットを享受するための条件が高いってのが実情でしょうか。