現役Webライターによるいろいろな思い

クラウドソーシングの時代は終わった?Webライターが感じる闇とは

これまで自分自身、クラウドソーシングにはかなりお世話になりました。しかし、既にクラウドソーシングは役割を終えたのではないかと思うことが多々あります。むしろクラウドソーシングは、もはや頼るべきものではないのでは?とさえ思うケースが増えています。

今回はなぜそう思うのか、その理由について紹介していきましょう。

クラウドソーシングは良くも悪くも「手軽」なもの

Webライターが「手軽に取り組めるお仕事」として脚光を集めた背景にクラウドソーシングがあるのは言うまでもありません。クラウドソーシングで案件を獲得し、場所・時間を問わずに仕事をできる点が、副業希望者だったり子育て中で外に出れない層に響いた部分はあるでしょう。さらにはクラウドソーシングそのものに多くのお仕事がありました。

テキストコンテンツがまだまだ必要とされていた頃で、かつ生成AIがない時代はテキストは「人間が頑張って作成する」ものだったので、それなりに需要がありました。

メールアドレス一つあればすぐに登録可能で、案件も豊富にあったので未経験者でもすぐに仕事にあり付けていた時代もありました。

しかしWebライターの存在がクローズアップされると、Webライターが増えます。一方で時代はテキストコンテンツから動画やSNSへと以降しつつあり、そもそもいわゆる「一般的なサイト」を見る人が減少傾向にあります。

かつて「分からないならぐぐれ」との格言がありました。これは「Googleで調べろ」を意味する言葉ですが、今の時代は何かわからないことがあればGoogleにキーワードを入れるよりも、SNSを見るって人の方が多いんじゃないですかね?

さらには生成AIです。

クラウドソーシングでフリーランスのWebライターに依頼するよりも、生成AIにアウトプットしてもらった方が安価&高速です。

こういった点からクラウドソーシングからライティング案件が激減しています。その点は下記でもお伝えしたとおりです。

さらに個人的に思うのが、案件が減少している点に加えて案件そのものの信頼性というか、本気でクラウドソーシングで案件を募集しているクライアントさんがかなり減っているんじゃないかなとも思っています。

例えば以前であれば、Lancersとクラウドワークス両方に案件を出しているクライアント様は珍しくありませんでした。

これはいわば「クラウドソーシングでWebライターを見つけたい」って気持ちの裏返しだと考えることもできますよね。

でも、最近は「とりあえず」クラウドソーシングに案件を掲載しているクライアントも多いんじゃないかなと。その論拠がこちら。

これは自分が何件か申し込んだ案件の通知ですが、期限が過ぎて落選したもの、案件そのものがクライアント様の手でキャンセルされたものですね。

他の人が選ばれているなら「自分のスキルが足りなかった」ですけど、これってつまるところ、誰も選ばれていない可能性がありますよね。

別プロジェクトを立てて当選したWebライターに声をかけている可能性もありますけど、こういった通知は多いです。ただ、こういった状況は一概に「クライアント様が悪い」とも言えないんですよね。

案件に申し込んだWebライターの中に、求める人材がいなかったってことでしょうから。ただ、こういったことが多いと、「クラウドソーシングももういいかな」って気持ちになってしまいますよね。

クラウドソーシング以外の選択肢が増えているからこそ

Webライターの働き方として、正社員化が進んでいるとお伝えしたことがあります。

さらにはフリーランスエージェントも多数登場しています。正社員が欲しいところは正社員を募集していますし、質の高いフリーランスが欲しい所はエージェントを利用する傾向が強まっています。

…じゃあクラウドソーシングは?って話なんですよね(苦笑)

先程もお伝えしましたが、クラウドソーシングはメールアドレスさえあれば簡単に登録できますが、それは実は働く側だけじゃなくクライアント側もなんです。

クライアント側にとっても、クラウドソーシングは「手軽に外注できる場」だったものの、正社員化、さらには「しっかりした存在」であるフリーランスエージェントの台頭によって、クラウドソーシングには「正社員はいらないけど、フリーランスエージェントに登録するのが面倒」ってクライアント様が残っていることが予想されますよね。

質の高いフリーランスを求めるなら、多少登録が面倒ではあってもフリーランスエージェントに登録した方が良いんです。

だからか、実際にクラウドソーシングで案件を受けても自分でも「う~ん」と思うことが増えています。

クラウドソーシングで最近増えている違和感

これはあくまでも「自分自身が感じていること」ですが、以下のようなクライアント様が増えている印象です。

  • 要望が多い
  • とにかく安く済ませようとする
  • 反応が遅い

どういったことなのか、詳しく語っていきましょう。

要望が多い

とにかく要望が多いクライアント様が多いです。これはもはや「テキストだけ」のお仕事がないのである程度こちらも許容していますが、Wordpressへの入稿の場合は事細かに指示があります。

もちろんそういった指示は重要ですけど、「その単価で?」と思うようなケースが多いです。

悪く言えば「安く使い倒す」ってことですね。まぁクライアント側からみればフリーランスなんてその程度だから当然と言えば当然ですけど、それでもかつてと比べるとこの傾向が強いなって思いますね。

とにかく安く済ませようとする

これも最近多いです。報酬を安く設定しているだけじゃなく、「じゃあ減額で」ってパターン、結構見かけるようになりましたね。「Wordpressの装飾が不完全なので○○%減額で」みたいな。

これって2024年11月1日から施行されているフリーランス新法では違法ですよね。

そういった違法行為を認識していないってことも言えますが…。

参考:公正取引委員会フリーランス法特設サイト

反応が遅い

これも結構多いです。かつては連絡するとすぐに返信がきたものですが、今ではかなり遅いクライアント様も多いです。

ちなみにこの前プロジェクト終了したクライアント様は、5月くらいのものでした(苦笑)

元からそういったスピード感のクライアント様かもしれませんが、個人的にはクラウドソーシングにログインする機会が減っているから、確認が遅くなっているのかな?って思うんですよね。

つまるところ、クラウドソーシングの重要性が低下しているというか、かつてであればクラウドソーシングに頻繁にログインしていたので、こちらかの問い合わせにもすぐに気づいてくれたものの、もうクラウドソーシングにあまりログインしないから、どうしても反応が遅くなる悪循環が生まれているのかなと。

クラウドソーシングとどう向き合うか

こういった現状を踏まえると、本音として「クラウドソーシングなんて利用しない方がいいな」と思いますが、フリーランスのWebライターとしては、それでも頼らざるを得ない現実があります。

結局、そういったクライアントが増えていることを踏まえて適度な距離感でクラウドソーシングをチェックしつつ、クラウドソーシングだけに依存しない形での案件獲得が求められているのかなって思いますね。