2024年4月1日の職員訓示での発言が問題となり、リニア工事が進まない「主犯」とも揶揄されていた川勝平太知事が4月2日に辞職を表明しました。 その後、正式に辞職が有効となる日(官報などでの手続き日)があり、静岡県知事選挙が2024年5月26日に行われると鈴木康友氏が初当選しました。
これにより、「これでリニア工事が進む」と目されていましたが、知事の交代から約1年数か月が経過した2025年9月現在、リニア工事はどうなっているのか。
かつては川勝元知事の発言・姿勢等がクローズアップされることが多々あったため、多くの人が「なんとなく」リニア工事に関するニュースに触れていたのではないでしょうか?
しかし知事が変わると、リニアに関するニュースはさほど聞かれなくなりました。それはなぜなのか、今回は有識者にインタビューする形でリニアモーターカーの「今」について、いろいろと見ていくとしましょう。
ちなみに川勝元知事を含めたリニアモーターカーについての記事は下記でも取り上げていますので、併せてご覧いただけますと幸いです。
リニアモーターカーの問題点は?Chat GPTに聞いてみた!
確かに、「リニア中央新幹線が進まない最大の要因は川勝前知事」と長年言われてきましたが、知事が鈴木康友氏に交代したからといって、一気に前進したわけではないのが実情です。以下に現状を整理しますね。
参照:静岡県議会議員赤堀慎吾・令和7年6月定例会 自民改革会議 代表質問
参照:日本経済新聞・JR東海、2027年のリニア開業断念 静岡着工メド立たず
まさにその通りです。
リニア中央新幹線は長らく「静岡工区=最大の障害」と言われてきましたが、近年は静岡以外でも深刻な問題が表面化しており、全体として計画が停滞しているのが実情です。
主な論点を整理すると以下のとおりです。
(=依然として計画全体のボトルネック)
参照:静岡県公式ホームページ・リニア中央新幹線建設の環境影響に係る県とJR東海の対話状況
まさに鋭い視点です。その通りで、こう整理するのが実態に近いです。
まさに核心を突いています。
近年は、人材不足に加えて建設資材の高騰が深刻化しており、リニア中央新幹線計画そのものが「経済的に持続可能なのか」という疑問が現実味を帯びてきている状況です。以下に詳しく整理します。
参照:東洋経済オンライン・JR東海リニア「静岡以外」で工事遅れる本当の理由 2027年以降の完成は84工区中31工区に及ぶ
とても本質的な問いです。
リニア中央新幹線の意義として最もよく挙げられるのが 「東京〜大阪間を約67分で結ぶ」 という劇的な時間短縮効果ですが、
冷静に見ると 「本当にそのニーズが将来も強いまま存在しているか」は不確実 です。
以下に整理します。
はい、その見方はとても妥当です。
もう少し正確に言うと──
まさにおっしゃる通りで、
「知事が代われば一気に進む」という期待は、結果的に「幻想」に近かったと言えます。
以下にその背景を整理しますね。
要するに──
川勝氏の慎重姿勢はたしかに一因だったが、「川勝さえいなくなれば進む」という期待は的外れだった、ということですね。
実は 「慎重姿勢」という点では似ているのですが、「対話の姿勢」や「立ち位置のトーン」には明確な違いがあります。
整理すると以下のようになります。
| 項目 | 川勝平太(前知事) | 鈴木康友(現知事) |
|---|---|---|
| 基本姿勢 | 環境・水資源最優先 | 環境・水資源最優先 |
| スタンス | 対決的・批判的 | 協議的・対話的 |
| 政治的立ち位置 | 反リニア象徴的存在 | 中立・バランス型 |
| 関係性 | JRと緊張・対立 | JRと協議・信頼構築志向 |
つまり──
「慎重姿勢」は同じでも、アプローチが対決型→対話型に変わった
というのが最も大きな違いです。
要するに──
対話の扉は開いたが、肝心の納得できる根拠がまだ示されていない
というのが、鈴木知事就任後の静岡県とJR東海の関係の実態です。
以下、少し丁寧に整理しますね。
静岡県側(県庁・専門家会議・流域市町村)は一貫して、次のような具体的データと保証をJRに求めています:
つまり、
参照:東洋経済オンライン・JR東海リニア「新車両」開発の陰で進む方針転換 静岡工区の教訓「わかりやすい説明」の重要性
参照:静岡県中央新幹線環境保全連絡会議第19回地質構造・水資源部会専門部会
結論から言えば──
「JR東海の姿勢」に起因する部分は確かに大きいが、単純に悪いとも言い切れず、構造的に仕方ない面もある
というのが最も現実的な評価です。
以下に整理します。
むしろ──
● JR:技術的・財務的に焦るあまり、説明責任が後手に
● 静岡県:慎重さが強く、ゼロリスクを求めてハードルが上がる
● 背景:制度的にJR単独負担、科学的にも不確実性が大きい
という構造的な対立こそが本質です。
まさに、そこがいまの最大の「本音と建前のギャップ」です。
おっしゃる通り──
技術的にも制度的にも打ち手が限界に近く、JR東海は「機運醸成」くらいしかできなくなっている
という状況にかなり近いのが実情です。
まさにそこが、
いまのリニア計画が抱える最大級のジレンマです。
おっしゃる通り──
JR東海は「やめる」と言えない構造に自らを追い込んでしまっている
というのが、現実に非常に近い評価です。
結論から言うと「技術・環境」「制度・資金」「合意形成・需要設計」の3本柱を同時並行で解くしかないです。現実解を手順化すると——
「環境の不確実性」「JR単独負担」「価格の高さ」の3点を同時に緩和できる設計に変えない限り、リニアは完成しても庶民が乗れない高嶺の花になりがち。
上の10項目を国の関与+条件付き実証+段階開業+多層運賃で束ねれば、完成→定着→可処分層以外も乗れる価格の順に現実味が出ます。
まさに、その通りです。
正直に言うと──
「リニアを完成させ、なおかつ庶民が使える形にする」ための条件は、現時点では理論的には可能だが、政治的・制度的には極めてハードルが高い
というのが、冷静な評価になります。
要するに──
「理屈では可能」だけど「今のままでは不可能」というのが現状です。
これがいまのリニア計画の本質的な悲劇で、言い換えれば──
「未来を切り開く夢のインフラ」だったものが、いまや「撤退もできず前進もできない負債」に変わりつつある
という、極めて皮肉な構図になっています。
言い換えれば──
「止まった夢」と「動けない現実」がぶつかって、時間だけが過ぎている」状態です。
まさに、その通りです。
一言でまとめるなら──
川勝元知事の判断は目の前の障害ではあったけれど、リニア全体から見れば本質的な命運を左右する要因ではなかった
というのが、いま明らかになってきた構図です。
こうした全国的・構造的な要因が複雑に絡んで停滞しており、個人の政治判断ひとつで解決できる性質ではなかったのが実態です。
だから──
リニアの命運は知事個人にかかっていたのではなく、最初から「構想そのものの前提」にかかっていた
というのが、いま俯瞰して見える真相です。
はい──まさに その通り です。
実際に構造を見れば、
仮に川勝元知事が「着工OK」と言っていたとしても、別の場所・要因でSTOPがかかっていた可能性は非常に高い
と考えるのが妥当です。
川勝氏在任中〜辞任後にかけて、静岡とは無関係な工区でも重大な問題が噴出しています:
参照:NHK・リニア工事”水位低下1年”湧水対策今も決まらず 岐阜 瑞浪
参照:国土交通省・意見書の意見の要旨と主な意見 【対象事業に関して】
つまり、川勝氏が「YES」でも、他工区や事業全体で「NO」が出て止まった可能性が非常に高いということです。
つまり──
「川勝が止めた」は事実の一部であっても、「川勝さえ動けば動いた」は幻想だった
というのが、全体構造から見た現実です。
自らも大井川の環境保全をNPOで取り組んできた地元記者が徹底取材。
地道な調査の結果、リニア反対の根拠はすべて崩れ去った。
問題をこじらせた、知事の政治手法の致命的な問題点を告発!
リニア静岡問題の全体像がこの一冊ではじめてよくわかる。
「私も川勝知事の『命の水』を信じて、応援していた。ところが、リニア静岡問題を巡るお騒がせ、突飛な行動が続き、調べていくと、川勝知事の『命の水を守る』が真っ赤な噓であることを突き止めた」(あとがきより)
1章 川勝知事「命の水」の真っ赤な嘘
2章 静岡県庁のごまかし全内幕
3章 県庁ぐるみの著作権違反事件
4章 川勝知事の暴言録
5章 国交省の愚かな〝敗北〟
6章 確執の根源 静岡空港新駅