先日instagramを見ていたところ、とある広告が流れてきました。在宅、かつ報酬が1日15,000円~となかなか魅力的な文言が並んでいますが、果たして本当に稼げる副業なのでしょうか?
正直、管理人は怪しいと睨んでいますが、実際のところ稼げるのか、いろいろと調査してみました。
流れてきた広告はこちらです。

可愛らしいイラストですね。2~3日の在宅勤務で、報酬は15,000円から。Apple製品を注文して国内の輸出代理店に発送してもらうとのこと。ちょっと気になったので調べてみたところ、WEBサイトもありました。

シンプルなサイトですね。

ほぼ同じ募集内容なので、同一のものと考えてよいでしょう。
これらが全て事実であればとても魅力的な副業だと思いますが、個人的にはかなり怪しいかな…と。

Apple製品発注代行が怪しいなと感じる理由としていくつか挙げられます。
それぞれ詳しくみていきましょう。
Web上でビジネスを行う場合、Webサイトに特定商取引に関する記述を用意することが義務付けられています。
特定商取引に関する記述とは、サービスを提供している会社の社名や住所、連絡先などを記載するものです。これにより、「誰がサービスを提供しているのか」が分かると同時に、連絡先でもあるのでもしもの時に連絡して問題解決を図ることができます。
しかしApple製品発注代行には特定商取引に関する記述がありません。
つまり、Apple製品発注代行は誰が提供しているのか一切不明です。健全なお仕事紹介サービスであれば、特定商取引に関する記述かあるいは会社概要など「自分たちが誰なのか」を紹介するコンテンツがあります。
例えばタイミー。

画像引用:タイミー公式サイト
こちらの会社概要をタップすると下記が表示されます。

画像引用:タイミー公式サイト
これだけ記載されていれば安心感もありますよね。
でもApple製品発注代行には特定商取引に関する記述も会社概要もありません。あるのは「LINEに登録しろ」だけです。
怪しいとしか言えません。
この手のSNS広告の怪しさは下記でも詳しくしていますので併せてご覧ください
既に信頼性の点でApple製品発注代行は怪しい存在ですが、さらに怪しいのがその業務内容です。
「輸出代理業」とのことですが、本来の意味では、輸出手続きを代行する業者のことです。
たとえば、
これらの業務は一般的には商社や貿易会社がやることで、副業希望者向けにLINE登録で紹介するようなものではないんですよね。

ではApple製品発注代行は何が狙いなのか。裏を返せば、申し込んだ場合にどのようなリスクが懸念されるかといえば、
このいずれかが考えられます。それぞれ詳しく紹介していきましょう。
Apple製品発注代行は「興味のある方はLINE登録を」とあります。つまり、自分自身のLINEの連絡先を特定商取引に関する記述や会社概要の無い、得体の知れない相手に知らせることになります。
リスト化されて売買される可能性もあれば、異なるアカウントから「魅力的な情報がありますよ」と連絡が来る可能性もあります。
何せLINEアカウントを自ら教えたのです。
業者からすれば「副業情報が欲しくてLINEを登録した人間=お金に困っている」と認識することでしょう。もっと言えば「騙されやすい人間」とも認識するでしょう。
詐欺師たちからすれば格好のターゲットです。以降、さまざまな情報が送られてくる可能性があります。
始めは無料でいろいろと教えてくれていたものの、やがては高額のマニュアルを請求されるケースも考えられます。
この点に関しては消費者庁も注意喚起しています。

画像引用:消費者庁・簡単な作業をするだけで「誰でも1日当たり数万円を稼ぐことができる」などの勧誘により「副業」の「マニュアル」を消費者に購入させた事業者に関する注意喚起
このように、無料で登録した人間を「ターゲット」にし、もっと稼げる情報がある…と、有料商材購入まで誘導するケースです。
もちろん有料の商材を購入したからと言って利益が生まれる保証はありません。そして「利益が出ない」と苦情を出そうにも、LINEアカウントが消えているため、相手と連絡が取れない状況となってしまうのです。
今回の案件に関しては、詐欺に巻き込まれる可能性もあるんじゃないかなと。
Apple製品、つまりはiPhoneを購入してその対価として15,000円からの報酬をとの文言ですが、自分の名義で契約したiPhoneを他人に渡すんですよ?まぁSIMフリーなら問題ないかもですけど、仮にキャリアで購入した場合は自分の名義のiPhoneを渡すことになります。SIMフリーでも購入者情報は残りますよね。
そのiPhoneが犯罪に使用された場合、どうでしょう?
自分の知らないところで自分名義のiPhoneで詐欺が行われているんです。当然、警察は名義人・購入者に対して疑惑の眼差しを向けますよね?
詐欺グループからすれば、自分たちの痕跡が一切ないiPhoneで犯罪行為を繰り返すことができるんですよ。Apple製品発注代行は、それに加担する可能性を秘めているんですよ。
ということでApple製品発注代行はスルー推奨です。
在宅で、1案件15,000円以上もらえるのであればとても魅力的ですが、実際にお金をもらえるどころか15,000円には似合わないリスクを背負う可能性があります。
知らない間に大きなトラブルに巻き込まれ、急に自宅に警察がくる…なんて可能性もゼロではありません。「気を付ける」ではなく、手を出さないようにしましょう。