AIが大きな影響力を発揮していることはこのサイトでも何度でもお伝えしていました。正直、WEBライターはもう時代の役割を終えたとも思っていますが、それはWEBライターだけではなさそうですね。
AIの能力は本当に素晴らしいです。それまでとはレベルの違う作業効率化をもたらしてくれるものですが、結果、それによって人員が削減されていると。
つい先日もAmazonでAIのおかげで業務効率化が実現したことで大量の人員整理を行うと発表されました。
参照:日本経済新聞・Amazon、クラウド部門で解雇開始 9000人削減の一環
まさに「AIに仕事を奪われた」形ですよね。
もちろんこのような話はAmazonだけに限った話ではありません。他の業種・業態でもAIによって業務効率化が実現したとの声が聞こえたその先で「だから人を整理する」といった話が聞こえてくることも珍しくなくなってきました。
こういったニュースを見たくないという人も多いことでしょう。そこで果たしてAIは人間にとって敵なのか味方なのか、いろいろと見ていくとしましょう。

自分自身がAIを使用していて思うのは、AIの能力は人間など軽く凌駕しています。さらにはそれが進化しているんです。
登場当初は「まだまだだな」と思っていた生成AIが、いつしか人間と同等、むしろそれ以上のクオリティを誇るようになっていたんです。さらにはまだまだ成長しているんです。
例えば自分がよく使用しているChat GPT。まさに生成AIの代名詞的なものですが、Chat GPTを使用していると「新バージョンができました」みたいなアナウンスは多々あります。文字通り「日に日に」進歩しているんですよね。
AIへの評価として、しばしば「まだまだ人間の方が上だ」といった声を聞きます。確かにそれは間違いではないんですけど、AIと人間の伸びしろを考えた時、どちらが上なのかは言うまでもないですよね。
作業の効率化をもたらしてくれるAIですが、作業効率化が進めば「人間よりAIでいい」となりますよね。
「人を雇うよりAIにしよう」ともなるでしょう。じゃあその判断をだれがするのかといえば経営者ですよね。結局、雇われている立場の人間はAIに取って代わられるリスクがありますよね。でも経営者であれば自分に対して「AIの方がいい」「AIと代われ」と言ってくる人はいないじゃないですか。
じゃあフリーランスなら安心?と思うかもしれませんが、個人的にはそれもどうかなと。フリーランスを頼る、つまりは外注していることも「AIでいいじゃん」ってなるでしょうね。
とにかく何でもできますしね。「だからこそ人間の手作業に価値がある」って声もあるかもしれませんけど、繰り返しになりますがAIはまだまだ進化中です。例えば文章作成においても、よく言われている「ファクトチェックが必要」とか「まだ文脈がAIっぽい」とかって評価も、進化とともに改善されていく可能性があるんです。
そうすればもはや外注の必要ないですよね。
自分自身も今はまだ何とか食いつないで行けていますが、仕事がなくなるのも時間の問題なんじゃないかなって思っています。

AIは「人間の仕事を奪う」といったネガティブな見方もありますが、実際には社会を支え、私たちの生活をより良くする味方としての側面も数多くあります。
ここでは、業務効率化や医療・福祉分野の進化、そして創造力の解放という3つの観点から、AIが私たちにとってどれだけ有益な存在になっているかを見ていきましょう。
AIはあらゆる業界で業務の自動化や効率化に貢献しています。たとえば、事務作業ではデータの分類や入力補助、マーケティングでは分析やレポート作成がAIによって高速化され、人間はより創造的・戦略的な仕事に集中できるようになりました。
チャットボットの導入によりカスタマーサポートの質も向上し、24時間対応が可能になるなどサービスの幅も広がっています。このように、AIの導入は人の手を減らすのではなく、人がより付加価値の高い仕事に専念できる環境をつくるための武器として活躍しているのです。
AIは医療・福祉分野においても急速に進化を遂げています。画像診断AIは、がんや脳疾患などの初期兆候を人間よりも早く・正確に発見する力を持ち、誤診のリスクを下げる効果が期待されています。
介護分野では、要介護者の状態をモニタリングし、異変を検知した際に即時通知するシステムなど、命を守るためのサポートツールとして導入が進んでいます。これらのAI技術は人手不足が深刻な現場での支えとなり、医療従事者や介護職の負担軽減にも貢献しています。
AIが進化したことで、以前は一部の専門家しか触れられなかった領域に、誰もが手軽に挑戦できるようになりました。文章作成、画像生成、音楽制作、プログラミング支援など、AIは「つくる」ハードルを劇的に下げています。
クリエイティブな才能がなくても、自分のアイデアを具現化できるツールとしてAIは機能しており、表現の自由度が飛躍的に広がりました。これはアーティストしか作品を生み出せない時代から、誰もが創作に参加できる時代への大きなパラダイムシフトと言えるでしょう。

AIは私たちの生活を豊かにする一方で、その進化がもたらす「影」の部分も無視できません。とりわけ、仕事を奪う不安や、悪用リスク、そして制御不能なAIへの倫理的な懸念など、人類がこれから直面する課題は多岐にわたります。
ここでは、AIが「敵」として意識される理由について、代表的な3つの懸念点を掘り下げていきましょう。
AIが進化するほどに増しているのが、「自分の仕事が機械に取って代わられるのでは」という不安です。特に、定型的な業務やデータ処理を中心とした職種では、すでにAIによる代替が進んでおり、今後はホワイトカラー職も例外ではないと予測されています。
こうした変化は、単に労働市場の再構成にとどまらず、収入格差の拡大や失業率の上昇を引き起こす可能性があるため、社会全体のセーフティネット構築が急務とされています。
AIが生成するフェイク画像や偽の音声・動画の精度が高まり、偽情報の拡散や詐欺行為がこれまで以上に巧妙になってきています。ディープフェイクによる名誉毀損、詐欺電話に使われるAIボイスなど、技術の進歩が悪意を持つ人々の手に渡れば、私たちの安全やプライバシーが脅かされかねません。
実際、既にAIを用いた詐欺も登場しました。
参照:NHK・急増!警察官などかたる詐欺 AIを悪用 映像を合成しビデオ通話
セキュリティ対策や規制の整備が追いつかない現状では、「AIは武器にもなる」という現実をしっかり見据える必要があります。
AIが自律的に判断する能力を持ち始めた今、最も深刻な懸念のひとつが暴走リスクです。たとえば、軍事利用されるAIが誤った判断をすれば、取り返しのつかない被害をもたらす可能性があります。
また、倫理観や感情を持たないAIに、命の価値や公平性を判断させること自体が危ういという指摘もあります。技術的な進化だけでなく、「何をAIに任せ、どこまでが人間の責任か」という根本的な倫理設計が強く求められているのです。
これは映画の話ですが、アメリカの大ヒット映画「ターミネーター」はAIがやがては自我を持ち、人類を敵視して人類と戦争するという話です。このままAIが進化すれば、やがてはこの話が現実となる可能性もあります。
参照:Wedge online・<ターミネーターが現実になる日?>AIの存在は福音をもたらすのか? それは、人類次第
実際、そのような声もちらほらとではありますがでてきています。まさに「我々次第」でしょう。

AIが日常に浸透し、利便性とリスクが隣り合わせとなった今、私たち人類には「どう向き合うか」が問われています。盲目的に信じるのでも、過剰に恐れるのでもなく、テクノロジーを正しく理解し、主体的に選択する姿勢が重要です。
ここでは、AI社会を前向きに生き抜くために必要な3つの視点を紹介します。
AIとの共存時代を迎えるにあたり、最も重要なのが「リテラシー教育」です。AIを過信したり、逆に全否定したりするのではなく、「どのように使われているか」「どういう仕組みか」を理解する力が求められています。
特に、子どもや高齢者など、情報への耐性が弱い層に対しては、学校教育や地域での学びの場を通じて、早期に基礎的なAI知識を提供する必要があります。情報を見極め、AIと賢く付き合える市民力こそが、今後の社会を安定させるカギになります。
AIの開発・運用はグローバルな問題であり、一国の規制だけでは限界があります。ディープフェイクやAI兵器などの技術が国境を越えて拡散する中、各国が連携してルール作りを進めていく必要があります。
EUの「AI法」や、G7・G20における倫理基準の話し合いなどはその一環です。技術の自由を守りながらも、人権や安全を保障する枠組みが求められており、企業だけでなく政府・市民社会の協調が欠かせません。
参考:欧州連合日本政府代表部・EU AI規則の概要 – 欧州連合日本政府代表部
AI時代において重要なのは、私たちが「AIに使われる側」ではなく、「AIを使いこなす側」になるという意識です。ツールとしてのAIを、自分の目的や価値観に沿って活用できるようになることで、創造力や生産性は何倍にも膨らみます。
たとえば、AIにアイデアを出させるのではなく、自分の発想を補完させる感覚。そうした主導権を持つことで、AIに支配されるのではなく、共存する未来が拓けていくのです。
AIは、人類にとって最大の味方にもなり得れば、最悪の敵にもなり得る存在です。
業務の効率化や医療・福祉分野での活用、創造性の解放といった恩恵がある一方で、仕事の喪失や悪用リスク、倫理的ジレンマといった重大な課題も抱えています。
重要なのは、「AIをどう見るか」ではなく、「AIとどう付き合うか」です。テクノロジーを盲信せず、正しく理解し、責任ある使い方を選ぶこと。そして、教育・ルール・個々の姿勢を通じて、AI社会を健全に育てていくことが、私たち人類の未来を決定づけます。
AIが敵か味方か――その答えは、今この瞬間の私たちの選択と行動にかかっているのです。